あすてっぷKOBE

女性活躍WOMEN'S EMPOWERMENT

2024.11.14再就職管理職

周りのサポートがあるからこそ、なりたい自分に近づける

  •  2012年証券会社に就職 営業を担当
  • 2014年第一子 出産
  • 2016年メットライフ生命保険株式会社へ入社
  • 2017年スーパーバイザーを担当
  • 2020年マネージャーに昇格
  • 2023年チェンジマネジメント担当に異動

     

    現場で働くオペレーターの不安を軽減し、前向きに取り組めるように

    門出さんがお話ししている様子

    今のお仕事について教えてください。

    現在は、カスタマーサービスアンドオペレーション部門で、コールセンターに新しいシステムを導入し、軌道に乗せるためのチェンジマネジメントを担当しています。 コールセンター運営に必要なさまざまなシステムの改修の際に、現場のオペレーターが変更を前向きに受けとめ、新しいシステムでも正確かつ効率的に業務を行えるようサポートする仕事です。

    たとえば、AI の導入があります。当社のコールセンターのシステムは、ここ数年、時代に合わせて、大きく変化しています。お客さまとオペレーターが直接やり取りする前に、会話型 AIがお客さまと会話し、必要な情報をお伺いするというスタイルに変わりました。

    現場のオペレーターは、業務効率化のための AI 導入であることを頭では理解していても、どうしても不安を払拭できないこともあります。具体的には、AI は正確にお客さまのご要望を把握できているのか、お客さまは AI との会話に満足してくださっているのか、などです。このようなオペレーターの不安を解消し、変化を前向きに受け入れてもらうための対策をとるのがわたしの役割です。そのため、システムの設計段階から携わり、導入前のトレーニングはもちろん、導入後のヒアリングを通じ、オペレーターが安心して業務できるようサポートしています。

    オペレーターを支援する充実したお仕事ですね。その業務につかれたのは、第一子ご出産後です。お子さんがまだ幼い中の転職というのはかなりハードルの高いもの。転職を決断された理由は何ですか?

    転職したのは息子が 1 歳半のころです。前職では証券会社で個人のお客さまに対する営業を担当していました。とてもやりがいのある仕事だったのですが、お客さまによっては日中のお仕事の関係で、アポイントがどうしても遅い時間になったり、わたしが子どもの都合でお休みをいただいている間に大きく相場が動いて、十分なフォローができない時があるなど、自分の思うような働き方や子育てとの両立が難しいと感じ、思い切って転職しました。 ですので、転職活動の際は子育てとの両立を特に重視していました。残業が少なく、保育園の送迎が無理なくできること、自宅から通いやすい距離に会社があったこともメットライフ生命を選んだ理由のひとつですね。

     

    「自分がやりたいか、やりたくないかで選んでいいよ」

    転職後は、新しい職場環境に驚かれたそうですね。

    はい。転職後、コールセンターのオペレーターとして勤務していたのですが、まずとても女性が多かった。わたしと同じように小さな子どもがいる方や、介護が必要なご家族がいる方など、いろいろな家庭状況でも、ひとりで抱え込まずにチームの協力を得て成果を上げているスタッフがたくさんいました。その中には、次のキャリアを目指すための勉強の機会を得ていきいきと仕事をしている人もいて、ライフステージに合わせて「これからはこういう働き方をすれば良いのだ」と思えるロールモデルにたくさん出会えたことは、とてもラッキーでした。

    ほかにも職場で、家族を大切に考えてくれるイベントが多いことにも驚かれたとか。

    当社の入っているビルの 22 階に休憩室があるのですが、近くで花火大会があるときは休憩室を社員の家族にも開放してくれます。22 階から見る花火は絶景ですよ。他にもボランティア活動やハイキングなど、家族も参加できるイベントがたくさんあります。 これがとても楽しくて。うちの息子は、イベント皆勤賞なんです(笑)。そして、「ママの会社、大好き」と言ってくれます。

    息子は、職場はもちろん、一緒に働いているメンバーのことも知っています。どうしても仕事で残業せざるを得ないとき、仕事のことはわからないなりにも、「ママ、がんばって!」と応援してくれます。子どもが職場や一緒に働くメンバーを知っているからこそ、自然と気持ち良く送り出してくれるのだと思います。これは、働く母として、とてもありがたく、大きなエネルギーをもらっています。

    1 年間、オペレーターとして勤務したあと、スーパーバイザー(オペレーター10 名程度のグループのリーダー的存在)へとステップアップされました。何かきっかけはあったのでしょうか?

    仕事をするからには、いつかはキャリアアップしたいと考えていました。ただ、当時は手のかかる幼い子を抱えた状態でしたし、基本的に自分でなんとかしなければならないという気持ちが大きく、「子育てで忙しいから当面は無理だ」と思っていました。転職して 1 年という短い期間でのキャリアアップは全く考えていませんでした。

    そのため、スーパーバイザーになってみないかと上司から声をかけてもらったときは、うれしさよりも不安な気持ちが先行していたように思います。そこは正直に「あまり残業は出来ないし、遅い時間帯の会議は参加できない。子どもの都合で突発的に休む可能性もあるので、引き受けて良いものかどうか、わからない」と伝えました。

    すると上司は「勤務時間などの環境はなんとでもなるから。お子さんの急な発熱でお休みが必要になったら、わたしもフォローするし、周りのメンバーにも協力するように呼びかける。だから、純粋に自分がやりたいか、やりたくないか、で考えてみて」と言ってくれました。この一言で思い切って、スーパーバイザーになる決心をしました。キャリアアップに対して大きく背中を押してくれた、人生をかえる一言でしたね。 実際、出席しづらい時間帯の会議などは時間調整をしてもらったり、子どもの体調不良などで急な対応が必要になったときは、同僚や上司にたくさんサポートしてもらいました。このチームワークがとてもありがたかったです。

     

    立場が変わるからこそ見えてくることやできることがある

    今までの仕事で何か、印象的なエピソードはありますか?

    センター長をしていたころ、コールセンターのシステムの全面的な入れ替えがありました。当初想定していなかったオペレーターが日々の業務でメインに使っているシステムにも変更が入ることが、直前に判明したのです。

    新しいシステムには、まだ現場の声が反映されていなかったため、大混乱。パフォーマンスが悪化してしまい、オペレーターからもシステムに対する不満が噴出する事態に陥ってしまいました。この状態からどうやって軌道修正すれば良いのかと、とても悩んだことがありました

    どのようにその状況を打開したのですか?

    まずは、システム開発や導入を進めているチームとミーティングを持ち、現場の声を伝えました。研修資料を作成するチームからは、事前に研修資料をもらい、徹底的にチェック。ちょっとした書き方や表現で、受ける印象が大きく変わります。一言一句確認し、すべて前向きな表現に修正しました。トレーニングの際の言い回しを変更してもらったこともありましたね。

    些細な違和感でもオペレーターに大きく影響するため、システムに関するありとあらゆる資料をチェックして、オペレーターがポジティブに変化を受け入れられるような表現へ変えていきました。かなり大変な作業になりました。

    その経験を経たからこそ、見えてきたものがあるそうですね。

    プロジェクトチームとミーティングを重ねるうち、システムとして、「できること」と「できないこと」があるということが分かってきました。それまでは、オペレーターとしての側面しか見えていなかったのが、会社全体の業務の関係を俯瞰できるようになってきたのです。

    例えば、システム上の制約などにより実現できないことがある場合、「なぜできないのか」とできない状態を否定するのではなく、「できないことを受け止めた上で、オペレーターが働きやすくするためにはどう伝えたら良いのか」と考えるようになり、ネガティブな印象や事象をポジティブに切り替える方法を積極的に探していきました。

    この経験はわたしにとって大きな転機となりました。オペレーターが気持ち良く仕事に専念できる環境を整える業務に就きたいという気持ちが次第に高まり、今の仕事へとつながりました。

    「大切なのは一人で抱え込まず、周りを巻き込むこと

    次々と起こる出来事を受け止めてさまざまな工夫を重ねることで、着実にステップアップしてこられたのですね。仕事をする際に大切にしていることは何ですか?

    やはりコミュニケーションですね。 何らかの変化があったとき、同じ状況でも受け止め方は人それぞれ。効率的に業務が行えるよう、検証を重ねたうえでシステムをデザインしていますが、それでも想定とは異なる現場の反応に直面することは日常茶飯事です。

    その多様な反応に対し、「そんなものだ」と素通りしては前に進みません。耳を傾け、意見をしっかり拾い集めて改善に活かすことによって、現場のスタッフにとって使いやすく、正確かつ効率的に使用できるシステムへと改良していく必要があります。

    また、現場で働いているオペレーターの中には、言葉にできない漠然とした不安を抱える人も少なくありません。「変化を受け止めきれないけれど、変わってしまったものは仕方ない」と、もやもやしながら仕事していては、本来の力が発揮されません。その気持ちをしっかりキャッチしてフォローしていくことにより、一人ひとりのパフォーマンスがあがり、業務全体の効率もあがると考えています。

    ですから、わかりやすく伝えるコミュニケーションはもちろんのこと、さまざまな考え方や一人ひとりの想い、意見をしっかり聴き取るコミュニケーションも重視しています。

    日々、育児やお仕事に奮闘する門出さんですが、休日の過ごし方を教えてください。

    自宅の近くの大きな公園で休日は息子と犬と一緒によく過ごしています。気候が良いときは、ファストフードをテイクアウトして、ピクニックすることも。鬼ごっこはちょっとわたしがしんどいので、パスしがちですが(笑)、バトミントンなどはよくします。

    最後にキャリアアップを目指す女性に、メッセージをお願いします。

    まずは自分の中で将来なりたい姿をしっかりと描くこと。そしてそれを周りに伝えて共有することが大切だと思います。

    実はわたし自身が、入社して間もないころから、「スーパーバイザーになりたい」とか「センター長になりたい」と周りに公言していました。当時は憧れのような夢のレベルで、無謀だったなと思いますが(笑)。 しかし、公言していたからこそ、周囲が記憶してくれていて「こういう社内研修があるから受けてみたら?」や「このポジションを今、募集しているけれど、どう思う?」と、さまざまな声を掛けてもらえたのだと思います。

    キャリアアップには、自分のスキルを磨くことも大切ですが、周りを巻き込むことも同じくらい大切です。思ったように進まないことも多くありますが、諦めず自分から思いを伝えて動き続けていれば、周りの人からもさまざまなサポートを受けられ、気づいたときには、なりたい姿になれていた、という時がくると思いますよ。

     

     

     

     

所属団体名
メットライフ生命保険株式会社
所在地
〒650-0044 兵庫県神戸市中央区東川崎町一丁目1番3号 神戸クリスタルタワー(コールセンター部門)
事業内容
メットライフ生命は日本初の外資系生命保険会社として1973年に営業を開始し、現在は世界有数の生命保険グループ会社、米国メットライフの日本法人としてお客さまに常に寄り添い、最適な保障を選ぶお手伝いをしています。多様な販売チャネルを通じて、個人・法人のお客さまに対し幅広いリスクに対応できる、革新的な商品の提供に努めています。
規 模
資本金(資本準備金を含む)2,226億円(2024年3月31日時点)、 従業員数8,569名(2024年3月31日時点)
ホームページ
https://www.metlife.co.jp/

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