2022.03.29管理職
「私がチームのみんなのことを一番大切に思う!」 自分の気持ちを正直に伝えて人間関係を深めることを目指しています
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1991年総合リース会社 入社総合職として事務機器リースの法人営業を担当
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1994年電話帳広告の会社 入社コールセンターでの広告営業を担当(契約社員)
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1998年検定試験の協会 入社書籍関連の販促を担当
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2000年外資系自動車リース会社 入社法人営業を担当後、業務プロセス改善部署に異動
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2008年日系自動車部品メーカー 入社人事部・生産本部で人材開発を担当後、業務プロセス改善部署のプロジェクトリーダーとして異動(管理職)
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2019年株式会社神戸製鋼 入社人事労政部でダイバーシティ推進を担当(管理職)
若い頃に気付いた、自分の「価値観」がキャリアの土台に
―今までにさまざまなご経歴を歩んで来られた森下さんの管理職に至るまでの経緯を簡単に教えてください。
20代は会社での人間関係をはじめ、いろいろと苦労もあり、職場を転々としていましたが、30歳を目前に「自分にはどんな会社が向いているか」とじっくり考えました。その時に「正しいことを正しく、間違っていることは間違っていることとして対応できる職場」で働きたいという自分の価値観に気付いたんです。
今の会社の2つ前の会社に転職する際になりますが、当時は企業のホームページが充実しはじめた頃でした。ホームページで社内の状況が公開されているオープンな会社を探すうちに、外資系に絞り、自分の強みであるリース営業と車好きが活かせる自動車リース会社に入社しました。5年目の36歳の頃に東京に転勤となり、新人教育などを担当していましたが、職務内容に対して等級が低いと判断されて管理職等級に昇格しました。
―管理職になるまでのキャリアの中で、現在の仕事に取り組む姿勢に影響を与えたようなエピソードがあれば聞かせてください。
当時の会社に入社して数年後に、グループ会社合同のボランティア組織の立ち上げ責任者の依頼が本社からありました。ボランティア活動に興味があったので、私は引き受けたかったのですが、担当業務に加えての活動になるので、当初は上司から反対されていました。そこで、上司に正直に自分の気持ちを話して、なんとか引き受けることを許可してもらいました。その後、営業成績を維持しつつボランティアのイベントも成功させることができました。上司は私の行動をよく見てくれていて、「仕事もボランティアも手を抜かずに頑張っていたのは分かっているよ。これからはあなたのことを信用するから、自分のやりたいことを自由にやって良いし、何でも協力するよ。」と言ってもらえました。たとえ上司と反対の意見でも、しっかり想いを伝えて分かり合えた経験は私にとって大きな転機になりましたね。
―管理職になられてから、チームでの話し合いを大事にされているのでしょうか。
そうですね。仕事もプライベートも含め、なるべく自分の気持ちを正直に伝えるようにしています。「私の対応が間違っていたかな?」とか、「自分の失敗だな。」と思ったことも話しています。時には厳しいこともしっかり伝えていますので、私のことを「怖い」と思っている若い方もいるかもしれません。そこは反省点ですね。
密なコミュニケーションでお互いをサポートするチーム作り
―マネジメントをする際に気をつけられている点を教えてください。
まずは「やってみせる」ことです。例えば、企画を作る時は、完璧に仕上がっているものより、叩き台のようなものの方が意見を出しやすいですよね。「雑談していたことを書き起こしてみたんだけど、どう?」みたいな感じで、難しそうなものは最初に私がやるようにして、それから意見をもらうようにしています。たとえ上司でも、つまらない資料を作ることもあることが分かれば、意見も言いやすくなるかなと思っています。
―リーダーとして、チームで動く時に大切にされていることは?
自分のチームのメンバーのことを、「誰よりも私が大切に思う」ということですね。「悪いことの責任は私が取るし、うまくいけばチームの功績」という対応をしたいと思っています。もしチームメンバーが、私には間違いと感じられる行動をしたとしても、その人のことを「大切だ」と思えるようになるまでは何も言わないようにしています。相手なりの考えがあっての行動なので、完全ではなくても理解できるように努めたいと思っています。上司という立場を使って命令しないようにしていきたいです。
―女性管理職としての難しさを感じることはありますか?
男女問わず、男性的なマネジメントスタイルを求める方もいらっしゃいます。「こんな風な上司であってほしい」というようなアンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)に女性が当てはまらないケースが多いのかもしれません。そういう時はマネジメントが難しいと感じる事もあります。でも、少し仕事から離れて心に余裕をもつと、なぜかうまくいかなかったことがうまくいくこともあるので、気持ちを整えることが大切だと感じています。女性は体調のアップダウンが大きいので、自分の身体と気持ちを大切にしてほしいと思います。
―現在は新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が増えているかと思いますが、1日のスケジュールを教えてください。
毎朝30分間のチームミーティングで、スケジュールや相談ごとなどについて打ち合わせをして仕事を始め、遅くても19時には終わるようにしたいと思っています。管理職である私が残業してしまうと、チームの仕事を増やしてしまうので、無駄な残業をしないように気をつけています。でも、在宅勤務だと仕事との切り替えがしづらいので、朝にストレッチやオンライン英会話をして、気持ちと時間をしっかり区切れるように意識しています。
―在宅勤務になって、チームでのコミュニケーションなどに支障はありましたか?
4人のチームなので、特に支障はないです。むしろTeamsなどを使って、困りごともすぐ相談できるので、リアルの時よりもコミュニケーションが増え、みんな働きやすそうです。在宅だと、チームの方のお子さんやご家族とも日常的に話す機会があって、プライベートも認識しやすくなることもメリットかなと思います。例えば育児や介護中の方だと、ママやパパ、子ども達、おじいちゃん、おばあちゃんも協力してくれているのが会社で働いていた時よりも感じられますし、お互いの家族や大切な人に思いやりの気持ちを持てると感じています。上司として、子どもたちとも仲良くするのは結構重要なポイントですよ(笑)。
それぞれの強みを活かし、自分らしいマネジメントを
―女性で管理職を目指す方への組織内での振る舞い方など、アドバイスをいただけますか。
リーダーシップ型、調整型などそれぞれスタイルがありますよね。個性・強みをうまく活かして、周りとの人間関係を良好に保ちながら、自分らしいマネジメントの方法を見つけてほしいです。
―森下さんご自身の強みはどういうところだと思われますか?
ポジティブなところですかね。若い頃はそんなことなかったんですけど(笑)。考えるよりも身体を動かしちゃうので、フットワークも良いですよ。それと、人のことが好きなので、個人的なことを相談されるのも嬉しいです。
―管理職になりたくないという方も多いようですが、管理職のおすすめポイントを教えてください。
上司の都合に左右されず、自分でスケジュールをプランニングできるので、子育てと両立されている方は管理職の方が仕事しやすいと思うんですよね。自分ができない部分をチームでフォローしてもらえるようにすればいいですし。両立されている方が管理職になっていただければ、若い世代の方のロールモデルにもなりますし、制限のある中で効率良くマネジメントすることは今後の日本で求められていることだと思いますね。
―そもそも森下さんは管理職を目指されていたわけではないんですよね。
流れでこうなっていたという感じで、管理職を断る選択権はなかったですね(笑)。だから深く考えなくても大丈夫だと思いますよ!困った時は誰かに聞けば大丈夫。私は、今も分からないことがあれば、現職、前職、取引先、学生時代の友人などのそれぞれの分野で活躍される方に、よく相談しています。困っていることを正直に伝えれば、皆さん快く力になってくださって感謝しています。
―男女共同参画センターでの「女性リーダー育成研修」を受けられて、いかがでしたか?
中身が濃くてあっという間でした。研修で気になったところはちゃんと調べて、復習して今後に繋げていきたいと思いつつ、まだ取り組めていませんが、この研修をきっかけに学んでいきたいと思っています。何よりも神戸で一緒に頑張る仲間ができたことがとても嬉しいです。
森下さんが受講された、「神戸市女性リーダー育成研修」の案内はこちら