2023.04.21再就職
「顔の見えるコミュニケーションを大切にしたい」 ブランクがあってもコロナ禍で会えなくても印象に残る担当者に
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2005年英会話教室就職営業を担当
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2008年旧富士火災海上保険株式会社(現在のAIG損害保険株式会社)入社コンタクトセンターオペレーション業務を担当
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2011年南大阪支店異動代理店営業を担当
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2012年ご結婚全国型から地域限定型営業に変更
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2014年奈良支店異動
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2018年第1子ご出産
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2020年神戸支店に復職
「ビジネスパートナー」として代理店と一緒に歩みたい
―現在の保険営業職に転職されたきっかけと、お仕事内容を教えていただけますか?
前身の旧富士火災には、2008年に中途採用で入社しました。前職の企業が廃業してしまい、再就職先を探していたところ、旧富士火災で働いている知人の話を聞いて興味をもって応募しました。
損害保険会社は、短い期間で更新される保険の扱いが多いため、お客様との接点は結構頻繁にあるんですよね。直接お客様とお話しをするのは代理店なので、私たちはそこに合わせてタイムリーに情報提供をして、代理店のサポートをしています。
―営業職に変わられて特に印象に残っているエピソードはありますか?
一番は代理店に対する姿勢ですね。資料の準備や、代理店訪問時にどういうポイントで話すかなどを一緒に同行していただいた尊敬する先輩に教えてもらいました。
代理店も一企業であり、ビジネスパートナーなので、「その企業がどうしたいのか、どうやって成長していきたいのか、そのために何が必要なのかというのを一緒に考えられる担当者であるべきだ」と教えてもらいました。代理店と一緒に並走するようなイメージですね。保険会社が上でも下でもなくて、ビジネスパートナーであり、その軸は大事だなと思って今も営業活動をしています。
―全国型から地域限定型に途中キャリアを変更されていますが、ご自身の中で心境に変化があったのですか?
2012年に結婚をして、夫が転勤のない業種で、単身赴任は考えていませんでした。もともと神戸が地元でしたので、ずっと神戸に戻りたい気持ちもあり、地域限定型に切り替えて、関西を中心に活動を続けてきました。
2018年11月から約1年半産育休をいただき、2018年12月に長男を出産して、2020年6月に復帰後は、神戸支店に配属になりました。
営業には、事例共有ができる横のつながりが大事
―2020年6月に育休復帰、コロナ禍が始まりどんな状況でしたか?
育児休業があける手前で、緊急事態宣言が出たので、長男の保育園入園が4月から6月になり、2か月は家庭保育で見ていました。職場復帰も6月からで、復帰初日はシフト制で2人の社員だけが出社している状況でした。社員全員が完全在宅だったので全員と顔を合わせることもできませんでした。
―在宅勤務が難しいと思われていた営業職で、在宅勤務制度を活用して活躍されていたとのことですが、どのようにお仕事をされているのか、どのような工夫をしているのか教えてください。
電話やメールで顔が見えないコミュニケーションになり、「やっぱり会えた方が話しやすい」と代理店から言われることもありました。そこがすごく歯がゆかったです。会えないからこそ何ができるかを考えて、「会えなくても印象に残る担当者」となれるようにできることを頑張ろうと思いました。
例えば、「どのように進んでおられますか」と進捗をお尋ねしたり、現在進行中の案件とは違う案件をあえてこちらから質問しました。それから、会話の最後には、例えば営業に関する情報など聞いてよかったなと思えるような一言をつけ加えることも心がけました。電話だからこそ相手からお話しいただけることもありましたね。そのほかにも、できるだけ早くお問い合わせに対して回答をしたり、資料をメールさせていただいたりと工夫をしました。
ほどなくして、Web会議システムが導入されたのですが、Webミーティングに誘導する手続きに苦労しましたね。導入については代理店にもご面倒をおかけしましたが、Web面談のお願いをして、方法をお伝えしてから、メールでフォローするという流れには力を入れていきました。直接訪問ができないので、Webミーティングのときには、必ずカメラをオンにして積極的に顔を合わせるように心がけました。
―会社の方から、佐藤さんの顧客対応や営業の工夫は、他の社員の見本となるものだったとお聞きしました。ノウハウはどのように広げていかれたのでしょうか?
お客様に喜んでもらった案件や、大きな成約をいただいた案件の事例、また失敗をどのような方法で乗り切ったかの事例を、社内でリアルタイムに共有しています。「この代理店のこういうところがいいと思うんですよね」とWebミーティングで自分の担当の代理店にもお伝えして日々のお客様とのコミュニケーションにお役立ていただいています。
後輩とも、事例共有のミニ版を行っています。私たちの仕事は、営業担当がそれぞれに違う代理店を受け持っていて、それぞれ違う悩みがあるので、一律の答えはないんですね。ただ、事例としてたくさんバリエーションを持っていた方が、何かあった時に柔軟に対応できる(もしくは応用がきく)ので、営業担当者の横のつながりは大事だと思います。
―コロナ禍をきっかけに、時短勤務の営業スタイルも見直されたそうですね。
とてもありがたいことに、現在、神戸支店の中でも1番か2番目に大きな代理店を担当させていただいています。私の勤務時間が10時から16時なので、受け持つのは無理があると上司に相談をしたところ、営業職が2人体制で代理店への切れ目のないサポートをする仕組みができました。
具体的には、今どんな仕事をしているのか職場で共有しておき、時間外や対応できない場合には、もう一人の営業担当者につなぎます。そして、営業事務を担当するスタッフにもメールが届くようにしておくことで、チームで代理店のサポートができる体制になっています。私の後で育休復帰した営業の女性も2人体制で大きな代理店を担当しており、今まで蓄積してきたスキルを活かす意味で、有効な仕組みだと思っています。
―スタイルを確立されて、次に続く方も出てこられたのですね。
まだまだこれからですが、代理店は、営業担当者の勤務時間終了後も、助けが必要な場合があります。担当者がいなくてもバックアップができるので、2人体制の導入はすごく効果的だと思います。
育休が明けてからは、時間に制約ができたことで、「ここまではできるけど、これはできないです」。と今の状況を伝えるようになりました。時短勤務者が働きやすくなるような担当編成が組まれているので「時短だからやらなくていいよ」じゃなくて、「時短でもやってみよう」と思って仕事をしています。
上司は「今はどう?」と様子を聞いてくれるので、やってみて、難しいところがあったら相談しています。業務効率化の意味も含めて、一人で背負うのではなく、困ったら誰かにすぐに相談し、助けてもらうことが大事だというふうに意識も変わりました。
仕事は一人では完結できないので、私の成功事例、失敗事例を共有することで、後輩にとっても、「自分ならどうしよう」と自ら考えてもらうことで、成長につながるといいと思っています。
仕事と家庭の両立に必要なのは、周囲の協力と時間の効率化
―在宅勤務制度を家庭との両立にどう生かしておられますか?
コロナ禍当初は完全在宅でしたが、現在は、ほぼ在宅勤務もなくなりました。私は家から職場までの距離が近いため9割程度は出勤しています。
最近では、長男の体調が心配であったり、夫が体調不良であったりする時に、在宅勤務に変更しています。完全に休みをとる訳ではなく、在宅であっても仕事ができるようになったので、気持ちは楽になりましたね。
―育児休業から現在まで、ご家族はどのようなサポートをされてきましたか?
夫は長男が生まれる前から仕事に対する理解もありました。精神的な面での支えはとても大きいと感じます。子育ては、夫婦で協力しようとお互いに考えていて、例えばどうしても仕事の都合で長男の保育園のお迎えに行けない時には、お迎えに行ってくれたり、お風呂に入れたり、歯磨きを一緒にやってくれたりしています。
すごく子どもが好きな人でも、子育ては夫婦で一緒に行う感覚を持っていないと難しいと思います。しんどいときは分かってくれて、一緒に頑張ろうとしてくれる気持ちがうれしいですね。普段はあまり言わないですが(笑)。いいバランスでいます。
―子育てをし始めて変わってきたことはありますか?
自分の時間が限られた中で働くので、以前に比べて時間に関しての意識が変わりました。 仕事の勉強を含めて、仕事のことは勤務時間中に集中してやるようにして、帰宅したら子育てや家事の時間にします。成果を上げる意味でも切り替えは大事ですね。
仕事も子育ても全部一人で抱えると、重たくなってしまうと思います。誰かに相談すると、思っていたより簡単に解決できることもあるので、困ったら家族や周りの人に頼ることがすごく大事だと気づきました。
―最後に仕事と家庭を両立させたいとお考えの方へメッセージをお願いします。
育休が明けてから、職場のコミュニティでも子どものことを相談できているので、一人で抱え込むこともありません。仕事をしたら育児ができなくなるということはないと思います。これから働こうと思っている人は、しないで後悔するよりもやってみると、意外にバランスがとれていい感じになるかもしれないし、ダメだったらダメでもいいという気持ちで、一度チャレンジされるのがいいと思います。