2022.03.29起業家
大好きな「建築」と「片付け」を組み合わせて開業!誰かの人生をハッピーにするお手伝い
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1998年機械メーカー 入社海外営業部 貿易事務
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1999年京都建築専門学校 入学夜間コース
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2001年橋梁設計コンサルタント 入社設計部 CADオペレータ
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2003年ご結婚
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2003年店舗設計会社 入社
貿易事務 -
2004年大手電気メーカー 入社(派遣)
貿易事務 -
2009年職業訓練学校(DTP) 通学
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2010年観光サービス施設 入社労務管理
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2012年造園会社 入社(パート)経理事務
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2014年ご出産
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2016年株式会社アトリエ葉 開業
何かを作りたい!「自分の色」を出せる仕事探し
―大学卒業後に建築専門学校に通われていますが、そのきっかけを教えてください。
大学を卒業したのち、機械メーカーで貿易事務をしていましたが、「何かを作りたい」という気持ちが非常に強くなってきました。子どもの頃から建築が好きだったので、好きなことをやってみようと思い立ち、二級建築士の受験資格を取れる建築専門学校の夜間コースに通い、卒業後、国家試験を受けて資格を取得しました。結婚してからも、しばらくは大阪で働いていましたが、会社を退職し、縁あって、2008年に神戸に引っ越してきました。
―その後、2016年に開業されるまではどういったお仕事をされていたのでしょうか。
今までとは別の方向性を目指してみたくて、ウェブデザインの職業訓練に通っていましたが、なかなか再就職先が決まらず、建築に対しても未練があるという状態でした。それに、ずっと家にいると、家事などの完成度を問われているような気がして……。それがとても苦手だったので、とにかく外に出たくて、有馬温泉の温泉施設での労務管理の仕事を2年と、その後、造園会社の仕事に巡り合いました。「いつか開業したい」と心の中で思っていたので、経理事務と図面の手伝いをさせてもらったことは、今もとても役に立っていますよ。
「いつか開業をしたい」想いがカタチになるタイミング
―川本さんはいつから開業を志しておられたのでしょうか?
私には会社勤めはあまり向いてないのではと感じていて、昔から漠然と開業を考えていました。いろいろな職業を一通り経験できたので、「そろそろ自分でやろう!」とこの頃に決めました。
―フリーランスではなく、起業された理由について聞かせてください。
「自分に圧をかけないと!」と思ったんですよ(笑)。辞めづらいようにするために法人にしました。小規模ですが、コロナ禍になって仕事がゼロになった時も補助していただけたので、法人にしておいて本当に良かったです。
―開業を決意されてから、どのように事業内容を選ばれたのでしょうか。
実は決意した矢先に、妊娠・出産・育児で一旦開業のことは忘れていました(笑)。ある時、子どもが産まれたことで家の中がすごく散らかってしまっていることに気づき、「これは習いに行かないとどうにもならないかもしれない……」と思い、「整理収納アドバイザー」と「ライフオーガナイザー」の講座を受けに行きました。「ライフオーガナイザー」との出会いによって、事業内容が絞られていきました。
―結果として、「ライフオーガナイザー」と「建築」を組み合わせて、開業されたわけですね。
そうですね。「整理収納アドバイザー」はガッツリ捨てるメソッドで、自分自身がモノを捨てられないので、私にはできないと思いました。一方で「ライフオーガナイザー」は、思考の整理からはじめるコンサルティング型の片付けです。単純に捨てるのではなく、普段の暮らしをより良くするためのサポートをします。実際にやってみると、建築士っぽい要素もあって、私にとってすごくしっくりきましたね。
―開業時はお子さんは保育園に預けられていたのでしょうか?
子どもが2歳半の頃から、保育園に通い始めました。
―開業する際に不安に感じられていたことはありますか?
書類関連は心配だったのですが、神戸市の開業コンシェルジュを使わせていただいて、あまり困らなかったですね。至れり尽くせりの手厚いサポートをしていただきました。
―やっぱり漠然と考えていらっしゃる中でも「建築」での開業にこだわっておられたんですね。
建築で「自分ひとりでできること」となると、業態も限られます。図面をがっつり描くとか、設計事務所をするというような専門性が高い感じではなく、自分の好きな外構や造園の方があっていると思ったんです。一年目は事業を片付けや内装をメインに走らせてみて、思ったほど売り上げが取れなかったので、二年目からオーストラリア製の輸入物置「ユーロ物置」を施工販売する代理店を始めました。そこそこ売り上げが取れるようになってきたのですが、コロナ前の増税とコロナで、ピタッと止まってしまって。本当に助成金で命拾いしましたね。今は徐々に戻ってきています。
怖がらずに始めてみると、面白いことがたくさん!
―お一人でやられていて、大変な点を教えてください。
開業後に、一級建築士を受験しようと思い立ったんです。勉強に時間を割くと、売り上げにならないし、やることが多すぎて、いっぱいいっぱいになってしまいました。そもそもなぜ受験しようと思ったかというと、自分に自信が持てなかったんでしょうね。正直、私の事業だと、一級の資格は必要ないんです。でも、持ってたら箔がつくかも……と思ってしまっていました。そして、何より私ひとりだからこそ、動き続けないといけないということも痛感しました。ご縁をいただいてナンボですよね。資格を取っている場合じゃなかったです(笑)。でも、資格学校で学び直せたことで、新たな知識も得られて自信につながりました。
―どんなところにやりがいを感じますか?
私の仕事はお客さんの「人生を変える」ことにも繋がっています。その関係性は仕事が終わっても続いていくので、お客さんとしてではなく、「人と人」として繋がり続けられるのが嬉しいです。
―川本さんが仕事に向き合うコツのようなことはありますか?
果物に例えてみますと、私は昔は仕事が「りんご」のようなものだと思っていて、この一つのりんごとどうにかして向き合わないと……と思っていたんです。でも、今は「ブドウ」みたいだと思っています。うまくいかないことがあっても、その粒は捨てて、また他の粒にチャレンジしてみればいいですし。一つの仕事に絞って「こうでなければいけない」という風に考えてしまうのが苦しい原因だとわかったので、今はいろんなことをやりながら、全部大事にしていきたいと考えています。
―起業をしたいと思われている女性の方へのメッセージをお願いいたします。
頭の中では「やりたい!」と思い続けていても、踏み出せない方もいらっしゃるかもしれませんが、とにかくやってみてはいかがでしょうか。来たチャンスをしっかりと掴むためにも、準備はしっかりしておいた方がいいです。でも、準備ばかりに目がいっていると、踏み出せなくなるので、頃合いを見計らってチャレンジしてみてください。人に話して、背中を押してもらうのもいいかもしれませんね。私は行き詰まったら占いに行きます!
いろんな人の意見が交換される場に行くと、自分の考えもアウトプットしやすいです。でも、今がいっぱいいっぱいの状態の方は他の人の意見を取り入れる余裕もないと思います。何かを手放さないと、何かを受け取れない。手放すことからはじめてみましょう。私も一級建築士を受けようとしていた時に「いっぱいいっぱいはアカンな……」と痛感しましたからね(笑)。
失敗も含めて経験です。怖がらずに新しいことを始めると、面白いことがたくさんありますよ。